ドイツ連邦統計局と連邦経済省が6日発表した5月の製造業新規受注指数(2015年=100)は、物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前月比6.4%増の101.5(暫定値)となり、20年6月以来およそ3年ぶりの上げ幅を記録した。受注増は2カ月連続。大型受注で水準が押し上げられており、大型受注を除いたベースでは増加幅が3.2%だった。
新規受注は昨年12月から3カ月連続で増加した。2月には4.5%増の106.9となり、昨年7月以来の水準まで回復したが、金利上昇などに伴う世界経済の減速を受けて、3月に10.9%減の95.2へと大きく落ち込んだ。企業景況感は冷え込んでおり、エコノミストの間では昨年第4四半期に始まった国内総生産(GDP)のマイナス成長が下半期も続くとの見方が有力だ。
5月の新規受注を地域別でみると、国内が6.2%、ユーロ圏(ドイツを除く)が6.5%、ユーロ圏外が6.2%の幅で伸びた。
部門別では投資財が12.0%増となり、全体を強くけん引した。国内が17.9%、ユーロ圏が12.5%、ユーロ圏外が6.6%増加した。
中間財は1.1%減となり、2カ月ぶりに落ち込んだ。国内が5.6%後退したことが響いた格好。ユーロ圏外は7.6%伸びた。
消費財は0.8%減となり、2カ月連続で縮小した。ユーロ圏(2.6%減)とユーロ圏外(1.5%減)が振るわなかった。
業界別では自動車・自動車部品が8.6%増、「その他の輸送機器」が137.1%増、製薬が5.7%増と大きく伸びた。その他の輸送機器には民生用のほか、軍用の船舶、鉄道車両、航空機が含まれる。電気装置は15.0%減、耐久消費財は9.4%減と振るわなかった。
4月の製造業新規受注は当初の前月比0.4%減から同0.2%増へと上方修正された。
新規受注を特殊要因によるブレが小さい3カ月単位の比較でみると、3~5月は前期(12~2月)比で6.1%減少した。
5月の製造業売上高(暫定値)は物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前月を2.7%上回った。4月については1.2%減から0.2%減に上方修正されている。