自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が14日発表した上半期のグループ新車販売台数は前年同期比12.8%増の437万2,200台へと拡大した。比較対象の2022年上期は半導体不足、ロシアのウクライナ侵攻、中国のゼロコロナ政策で水準が強く押し下げられており、その反動が大きい。電気自動車(BEV)は48.1%増えて32万1,600台となった。
販売台数を地域別でみると、中国(1.2%減の145万1,900台)以外はすべて増加した。西欧は26.9%増の164万3,500台、中東欧は11.6%増の25万3,400台、北米は14.2%増の45万8,700台、南米は14.5%増の22万1,300台、中国以外のアジア太平洋は11.2%増の17万1,000台、中東・アフリカは28.7%増の17万2,400台となっている。販売総数に占める中国の割合は33.2%となり、前年同期の37.9%から大きく低下した。
ブランド・グループ別でみると、大衆車(コア)は11.6%増の311万7,000台へと拡大した。VWブランド乗用車が7.2%増の222万4,700台、シュコダが19.9%増の43万2,200台、セアト/クプラが28.1%増の26万1,400台、VWブランド商用車が29.4%増の19万8,700台となっている。
高級車(プログレッシブ)は15.3%増の91万9,500台で、主力のアウディは15.5%増の90万7,100台。ポルシェを対象とするスポーツ車(スポーツラグジュアリー)は14.7%増の16万7,400台だった。
商用車子会社トレイトンの販売台数は16万8,300台で、前年同期を22.6%上回った。VWトラック・アンド・バスが29.3%減の2万台と振るわなかったものの、MANが61.0%増の5万6,000台、スカニアが26.1%増の4万6,500台、ナビスターが22.7%増の4万5,800台と好調だった。
6月のグループ販売台数は前年同月比5.7%増の84万7,600台と伸び率がやや小さかった。国別で最大市場の中国が14.5%減29万1,400台となり、足を強く引っ張った格好だ。その他の地域はすべて増加。増加幅は西欧が30.5%、中東欧が23.6%、北米が5.7%、南米が0.1%、中国以外のアジア太平洋が6.1%、中東・アフリカが19.7%だった。
上期のBEV販売台数は欧州が68.5%増の21万7,100台、米国が75.5%増の2万9,800台と好調だった。中国はBEV市場が32%拡大したにもかかわらずVWグループの販売は1.6%減の6万2,400台と振るわなかった。
ブランド・グループ別のBEV販売は大衆車が54.1%増の22万7,300台、高級車が51.2%増の7万5,600台、スポーツ車が4.7%減の1万8,000台、トレイトンが22.8%減の600台となっている。
BEV販売台数を四半期別でみると、第1四半期は前年同期比42.1%増の14万1,000台、第2四半期は53.0%増の18万600台だった。