ドイツ連邦陸運局(KBA)が4日発表した7月の乗用車新車登録台数は前年同月比18.1%増の24万3,277台となり、5カ月連続で2ケタ台の伸びを記録した。増加は6カ月連続。サプライチェーンのひっ迫緩和を受けて受注残の消化が進んでいる。ただ、コロナ禍前の19年7月に比べると26.9%少ない。1~7月も前年同期比13.6%増の164万147台に拡大したものの、19年同期比では24.8%減少した。
7月の新車登録を動力源別でみると電気自動車(BEV)は68.9%増の4万8,682台と大きく拡大した。プラグインハイブリッド車(PHV)を含むハイブリッド車(HV)は12.5%増の6万7,483台と2ケタ増を確保したものの、今年初に補助金が打ち切られたPHVは39.5%減の1万4,345台とこれまでに引き続き大きく落ち込んだ。純粋な内燃機関車はガソリン車が12.5%増の8万3,358台、ディーゼル車が2.7%増の4万2,496台だった。
シェアをみると、BEVは前年同月の14.0%から20.0%へと大きく拡大した。HVは29.1%から27.7%へと低下。PHVは11.5%から約半分の5.9%に大幅下落した。内燃機関車はガソリン車が36.0%から34.3%、ディーゼル車が20.1%から17.5%へと落ち込んだ。BEVとPHVの合計のシェアは25.9%、BEVとHVは同47.7%となっている。
走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は112.9グラムで、前年同月を5.1%下回った。
伸び率が最も大きかった部門は中型車で42.6%に上った。ミニバンが41.2%でこれに続いた。
主要3部門のシェアではトップのSUVが27.4%から30.7%へと拡大。2位コンパクトカーは0.2ポイント増の16.6%、3位小型車は1.0ポイント減の11.4%だった。
伸び率が最も大きかったブランドはスマートで637.0%増の1,393台を記録した。ポールスター(442.3%増の1,052台)、MGロエベ(235.2%増の2,239台)、テスラ(229.8%増の3,095台)、マツダ(157.3%増の3,332台)、アルピーヌ(154.5%増の56台)、レクサス(135.0%増の336台)、アルファロメオ(107.9%増の605台)も伸び率が3ケタ台に達した。
ドイツ車はMAN(6.1%減の185台)を除いてすべて増加した。フォード(44.2%増の1万845台)、メルセデス(29.4%増の2万1,377台)、ミニ(29.1%増の4,415台)、アウディ(22.5%増の1万9,926台)は平均(18.1%)を上回る伸びを記録。ポルシェ(9.5%増の2,965台)、BMW(9.4%増の1万8,907台)、VW(8.3%増の4万3,251台)、オペル(5.8%増の1万2,677台)も前年同月を上回った。
マツダとレクサス以外の日本車ではスバル(82.8%増の424台)、ホンダ(61.3%増の666台)、日産(37.4%増の2,478台)が大きく伸びた。スズキは11.7%増の2,160台、トヨタは7.2%増の7,413台、三菱は33.5%減の1,361台だった。
日本車以外の主な輸入ブランド(シェア1%以上)をみると、ルノー(53.1%増の6,346台)、セアト(40.1%増の1万3,213台)、フィアット(31.2%増の6,905台)、ボルボ(28.1%増の3,353台)、現代(14.0%増の1万776台)、起亜(10.8%増の7,373台)、プジョー(9.5%増の4,120台)、シュコダ(3.7%増の1万3,757台)は増加。ダチア(2.0%減の5,604台)、シトロエン(26.0%減の2,801台)は落ち込んだ。
新参組の中国ブランドはBYD(比亜迪汽車)が404台、GWM(長城汽車)が221台、NIO(蔚来汽車)が44台、AIWAYS(愛馳)が5台だった。