生産者物価が2年8カ月ぶりに下落、7月は前年同月比-6%に

ドイツ連邦統計局が21日発表した7月の生産者物価指数(2015年=100)は前年同月比6.0%減の147.0となり、20年11月以来2年7カ月ぶりに下落した。川上のエネルギーと中間財が低下し、全体を強く押し下げた格好だ。下げ幅は09年10月以来の高水準となった。

エネルギーは19.3%減となり、3カ月連続で下落した。電力が30.0%、石油製品が16.6%、天然ガスが16.2%の幅で下がった。天然ガスの低下は2年6カ月ぶり。

生産者物価はエネルギーを除いたベースでは2.0%上昇したものの、上げ幅は前月の2.8%から縮小した。エネルギーの指数自体は15年(100)の約2倍の195.6と、極めて高い水準にとどまっている。

中間財も3.4%減となり、3カ月連続で低下した。金属が10.5%下落。銑鉄・鉄鋼・鉄合金では下げ幅が17.7%、鉄筋では同39.2%に上った。肥料・窒素化合物(-36.1%)、木材(-28.9%)、木製包装材(-27.4%)、二次原料(-21.2%)も大きく下がっている。石灰・焼石膏(+40.5%)、中空瓶(+28.0%)、セメント(+27.4%)、生コンクリート(+25.9%)、工業ガス(+18.1%)、建設用小石・砂(+17.8%)などは大きく上昇した。

投資財は5.5%上昇した。上げ幅は構成比重の大きい機械で6.7%、自動車・自動車部品で5.1%に上っている。

耐久消費財は同5.8%だった。家具は6.0%、白物家電は7.1%となっている。

非耐久消費財は8.1%(前月9.4%)で、食料品は9.2%(同11.1%)に上った。砂糖は87.5%、加工済みジャガイモは32.2%、豚肉は32.0%、果物・野菜製品は18.5%だった。バターは30.4%減、非加工の植物油は38.8%減と大きく下落した。

生産者物価指数は前月比では1.1%低下した。ピーク時の昨年9月(指数172.5)に比べると14.8%低い水準だ。エネルギーが前月比で2.5%、中間財が同1.0%下がり、全体を押し下げた。非耐久消費財と耐久消費財はともに横ばい、投資財は0.3%増だった。エネルギーを除いたベースでは同物価が0.4%下がった。

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