セルビアとブルガリアのガス連系線が開通、脱ロシア依存に弾み

セルビアとブルガリアを結ぶ天然ガスパイプラインの連系線が10日、正式に開通し
た。これによりセルビアはアゼルバイジャンやギリシャの液化天然ガス(LNG)
ターミナルなどガスの調達先を多様化し、ロシア産ガスへの依存を減らせるように
なる。ブルガリアも欧州市場へのアクセスが拡大する。
連系線はギリシャ北東部のコモティニからブルガリア中南部のスタラ・ザゴラを結
ぶガスパイプライン「インターコネクター・ギリシャ・ブルガリア(IGB)」(全
長182キロメートル)に接続している。IGBはアゼルバイジャンからイタリアに至る
欧州南廊ガスパイプラインの一部を構成する。
連系線の輸送能力は18億立方メートルで、セルビアの年間ガス需要の60%を賄え
る。同国は先月、アゼルバイジャンと初の天然ガス調達契約を結び、2024年から年
間4億立方メートル、26年以降は10億立方メートルを購入することを決めた。昨年
は天然ガス消費量(30億立方メートル)のほぼ全量をロシア国営ガスプロムから購
入している。
連系線の建設費用は欧州連合(EU)の欧州委員会が4,960万ユーロを拠出し、欧州
投資銀行(EIB)は2,500万ユーロを融資した。セルビア政府は残りの2,250万ユー
ロを負担した。

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