対ロシア制裁にもかかわらず、昨年1-9月期に同国が輸入した欧米企業製の半導体
は12億米ドル相当に上ることが分かった。高性能ミサイルなどの重要装備(ハード
ウエア)に、米国のインテル、アドバンスド・マイクロデバイセズ(AMD)、アナ
ログ・デバイセズや欧州のインフィニオン・テクノロジーズ、STマイクロエレクト
ロニクス、NXPセミコンダクターズといった半導体大手の製品が搭載されたもよう
だ。米ブルームバーグ通信がロシア関税局の機密資料を基に報じた。
これらの欧米企業が制裁を破った様子はなく、テクノロジー製品の大半は中国やト
ルコ、アラブ首長国連邦(UAE)などの仲介国を経由して輸入されたとみられてい
る。関税局の記録から推算すると、1-9月の半導体輸入総額は17億ドルに上った。
そのうちの12億ドルが西側企業の製品だった。
欧州連合(EU)は制裁対象品が第三国を経由してロシアに輸出されている現状を問
題視。ロシアの対ウクライナ全面侵攻開始から2年を迎える2月24日までに第13次制
裁措置を発動し、制裁執行を強化する見通しだ。