ドイツ連邦統計局が31日に発表した1月の消費者物価指数(速報値)は前年同月比
2.9%増となり、上げ幅は前月を0.8ポイント下回った。インフレ率の下落は2カ月
ぶり。前月は特殊要因でインフレ率が強く押し上げられていたことから、1月はそ
の反動で下げ幅が膨らんだ。
前月(12月)のインフレ率は3.7%で、11月を0.5ポイント上回った。比較対象の22
年12月はエネルギー価格高騰対策で一般世帯のガス・地域熱料金を国がすべて負担
しており、23年12月はその反動で物価水準が押し上げられた格好だ。エネルギー価
格は4.1%上昇した。
一方、今年1月はエネルギー価格が2.8%低下した。炭素税の大幅引き上げ、電力・
天然ガス・地域熱料金を国が部分負担する臨時措置の打ち切り、送電料金への補助
金打ち切りなど価格を押上げる要因はあったものの、エネルギー全体では前年同月
を下回った。
食料品の上げ幅が3.8%となり、これまでに引き続き縮小したことも、インフレ率
の低下につながった。
一方、物価の構成比重が50%を超えるサービスは上昇率が3.4%となり、前月を0.2
ポイント上回った。外食に付加価値税の軽減税率を適用する臨時措置が昨年末で終
了したことが反映されたとみられる。最大州ノルトライン・ヴェストファーレンで
は外食価格が前年同月を7.7%上回った。
インフレ率は前月比では0.2%上昇した。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が3.1%、前月比がマイナス0.2%。
12月は前年同月比が3.8%、前月比が0.2%だった。