米国のジョー・バイデン大統領は23日、ウクライナ戦争の開戦2年を前に、ロシア
に対する大規模な追加制裁を発表した。金融やエネルギーセクター、防衛産業基
盤、およびこれまで制裁を回避してきた個人を対象に、500以上の新たな制裁を発
動する。これにより、米国政府による制裁対象は4,000以上の個人と団体に拡大す
る。同日には欧州連合(EU)も、ロシアに武器を供給する中国などの企業も対象に
含む追加制裁を発表した。
今回の米国の追加制裁は主に、◇ロシア独自の決済システム「ミール(Mir)」、
フィンテック企業を含む金融インフラ◇制裁を回避し、ロシアへの軍需物資輸送な
どに関与したとされる中国、セルビア、アラブ首長国連邦(UAE)、リヒテンシュ
タインを含む26カ国の企業と11カ国の個人◇軍事目的での利用が増えている3D印刷
の専門企業——などが対象となる。また、自爆攻撃用のドローン(UAV)の開発と
調達に関わっているとして、イランの国防軍需省を対ロ制裁の関連で初めて対象に
指定した。
バイデン大統領は、獄死した著名な反体制指導者、アレクセイ・ナワリヌイ氏にも
言及し、同氏の投獄と死亡に関係するとされる個人を制裁対象に加えたことを明ら
かにした。
同大統領は、「プーチン大統領にしかるべき代償を払わせない限り、彼は侵略の手
を緩めず、米国、欧州と北大西洋条約機構(NATO)加盟国、全世界のパートナー国
にとり安全のコストは増大する」と警告。「歴史が見ている。今、ウクライナ支援
に動かなければ、永遠に記憶されることになる」と述べて支援の継続を訴えた。