独国有エネルギー会社SEFEは18日、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ国営石油会
社(ADNOC)から低炭素LNG(液化天然ガス)の長期供給を受けることで基本合意し
た。二酸化炭素(CO2)排出量の少ない製法で製造したLNGを2028年から15年間、輸入
する。LNGの調達先を多様化するとともに、サプライチェーン(供給網)で発生する
CO2の量を低減する狙いだ。
ADNOCはアブダビ首長国のアルルワイス産業都市で「ルワイス・プロジェクト」とい
うLNG輸出プラント計画を進めている。同プロジェクトでは天然ガスをLNG化する際に
クリーン電力を用いることから、製造工程でのCO2排出量が低減される。液化設備2基
を28年に稼働させる予定。年産能力は計960万トンで、ADNOCのLNG生産能力は2倍以上
に拡大する。
両社は今回、独・UAE両国が22年に締結した「エネルギー安全保障・産業アクセレー
ター協定(ESIA)」の枠組みで覚書を交わした。今後、詳細を取り決める。実現すれ
ばルワイス・プロジェクトのLNGを欧州企業が調達する初のケースとなる。
SEFEはロシア国営ガスプロムの元独子会社で、旧社名はガスプロム・ゲルマニア
(GPG)。ロシアのウクライナ進攻を受け22年11月に国有化された。