連邦統計局のデータをもとにドイツ機械工業連盟(VDMA)が21日に発表した同国の
1-3月期の機械輸出高は501億ユーロ(暫定値)となり、前年同期を4.6%下回っ
た。昨年下半期から低迷が続いている。物価を加味した実質ベースでは減少幅が7.
0%に上った。
名目ベースの輸出高を仕向け先地域別でみると、足元の欧州が6.8%減少し、足を
強く引っ張った。欧州連合(EU)は下げ幅が7.1%に上る。VDMAの景気分析担当者
であるベネディクト・イェスケ氏は、個人消費がけん引車となりEU経済は緩やかに
回復し始めているものの、その効果が機械などの投資財産業に波及するには数カ月
の時間を要するとして、EU向けの輸出回復は当面ないとの見方を示した。
アジアも3.9%減と振るわなかった。南アジアが14.3%減と大幅に縮小。東アジア
も2.1%落ち込んだ。
北米は1.3%増、ラテンアメリカも0.6%増と前年同期をやや上回った。
最大の仕向け先国は米国で、2.1増の69億9,510万ユーロを記録した。2位の中国は
不動産不況と内需の低迷が響き2.3%減の45億2,940万ユーロに落ち込んだ。
上位20カ国のなかで増加したのは6カ国だけだった。そのなかでメキシコ(16位)
は22.9%増とダントツの伸びを記録している。イェスケ氏は、米中対立に伴うグ
ローバルなサプライチェーン(供給網)再編のメリットを最も強く享受していると
指摘した。
ドイツの機械輸入高は12.2%減の247億ユーロ(暫定値)と大きく落ち込んだ。輸
入先国1位はこれまでに引き続き中国で24億3,860万ユーロ(3.6%減)だった。2位
はイタリア(14.4%減の19億4,070万ユーロ)、3位は米国(6.4%減の16億7,450万
ユーロ)となっている。東欧諸国はチェコが4位、ポーランドが6位、ハンガリーが
10位とトップ10に3カ国がランクインした。独機械メーカーのニアショア拠点とし
て重要性が高まっているもようだ。日本は21.3%減の7億5,800万ユーロで11位だっ
た。
機械輸出を製品分野別でみると、トップ10のなかで増加したのは食品・包装機械
(4.8%増の23億6,830万ユーロ)だけだった。農業機械(11.8%減の39億1,130万
ユーロ)と空調機器(9.8%減の36億6,720万ユーロ)は大幅に減少。1位の駆動技
術は2.4%減の45億6,940万ユーロだった。