ソフトウエア大手の独SAPは29日、米IT大手アマゾンのクラウドサービス部門AWSと
生成AI(人工知能)の分野で協業すると発表した。AWSの言語モデル「ベッドロッ
ク(Bedrock)」を自社のソリューションに統合し、顧客が利用できるようにす
る。SAPはAWSの競合である米グーグル、マイクロソフトとも同様のパートナーシッ
プを結んでいる。協業先を増やすことで顧客の利便性を高める狙いだ。
SAPはAI事業で出遅れたが、外部企業と積極的に提携するマルチパートナー戦略を
通して巻き返しを図っている。クラウド御三家であるAWS、アジュール(マイクロ
ソフト)、GCP(グーグル)に加え、新興の米オープンAI、独アレフ・アレファと
も協業。これら協業先のAIソリューションを自社のソリューションに組み込んでい
る。SAPのクラウド顧客企業は自らのニーズに最も適した技術を選ぶことができ
る。
SAPは中国でのクラウドサービスでは現地IT大手のアリババと協業している。アリ
ババのAIソリューションも自社のソリューションに組み込むかどうかは決まってい
ない。