電池製造の独ファルタは4日、電動車用電池事業を合弁化する方向で高級乗用車大
手のポルシェと交渉していると発表した。ファルタは経営不振で再建を模索中。車
載電池事業の合弁化がファルタの再建にどのような効果をもたらすかは明らかにさ
れていない。
ファルタは「V4ドライブ」という名の電動車用リチウムイオン電池セルを開発し
た。同事業を有限会社化(社名:V4ドライブ・バッテリー)したうえで、ポルシェ
が出資し過半数資本を握ることを、これまでの交渉で大筋合意した。すでに合意内
容の概要を箇条書きにしたタームシートを締結済み。現在は最終契約の締結に向け
たデューデリジェンスが行われている。ポルシェの出資額や出資比率に関する情報
は現時点で公開されていない。
ファルタは充電可能なコイン型リチウムイオン電池の有力企業。2021年までは好業
績が続いていたが、22年になって経営が急速に悪化した。エネルギー・原料コスト
が大幅に膨らんだうえ、主要顧客である米アップルからの受注が減少したためだ。
V4ドライブに関しては22年秋の時点で工場建設の見合わせ方針を打ち出していた。
ポルシェが同電池を調達する方向であることは21年時点でファルタが明らかにして
いた。合弁化が実現すれば確実に調達できるようになる。