セルビアのLFP電池(リン酸鉄リチウムイオン電池)メーカーであるイレブンイー
ズ(ElevenEs)は、年内にハンガリー国境に近い北部のスボティツァでメガファク
トリーの建設に着手する計画だ。来年初めに操業を開始し、年間1,000メガワット
時を生産する。約200人を雇用する予定。投資規模はおよそ8,000万ユーロ。
同社はすでに、食肉大手「29. Novembar」のスボティツァ工場跡地にパイロット生
産拠点を設け、LFPバッテリーを製造している。自動車、バス、トラックのメー
カーにサンプル品を供給し、採用を働きかけているところだ。同バッテリーは風
力・太陽光発電所でも活用されているという。
製品は主に欧州連合(EU)、北米市場に供給する。電動車(EV)、パワーショベ
ル、バス、トラック、定置型蓄電システム(BESS)への利用が見込まれている。
イレブンイーズはスボティツァのほか、欧州・アメリカでもLFP工場を立ち上げ
た。グループ全体ではLFP生産に数十億ユーロを投じ、2万人超を雇用する計画だ。
LFPバッテリーは、重金属や希少金属を含む従来の二次電池よりも環境負荷が小さ
い。持続可能性、安全性、コストのいずれでも優れた特性を持つ。