自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が11日に発表した7-9月期のグループ新車
販売台数は217万6,300台となり、前年同期を7.1%下回った。同社の2大市場である中
国と西欧の低迷が響いた格好。電気自動車(BEV)は9.8%減の18万9,400台と減少幅
が大きい。販売担当の役員は、今後の新モデル投入で市場地位を強化すると述べると
ともに、難しい環境下で将来も成功を保つためにはドイツ本国のコスト削減が必要不
可欠だと強調した。
7-9月期の販売台数を地域別でみると、国別の最大市場である中国が15.0%減の71万
1,500台と足を強く引っ張った。価格競争の激化が響いている。西欧(7.0%減の74万
3,600台)、中東欧(3.7%減の11万7,000台)、中国以外のアジア太平洋(23.4%減
の7万300台)も前年同期を割り込んだ。北米は6.4%増の27万3,800台、南米は13.4%
増の16万3,800台、中東・アフリカは4.9%増の9万6,400台だった。
ブランド・グループ別でみると、大衆車(コア)は5.2%減の161万3,600台へと落ち
込んだ。VWブランド乗用車が6.6%減の117万6,400台、VWブランド商用車が11.8%減
の8万9,800台、セアト/クプラが4.4%減の12.万4,700台に後退。シュコダは6.0%増
えて22万2,700台となった。
高級車(プログレッシブ)は16.0%減の40万7,400台で、主力のアウディは16.0%減
の40万2,600台。ポルシェを対象とするスポーツ車(スポーツラグジュアリー)は
7.0%減の7万100台だった。
商用車子会社トレイトンの販売台数は8万5,300台で、前年同期を4.8%上回った。MAN
は29.4%減の1万9,800台と大幅に縮小したものの、VWトラック・アンド・バス
(28.4%増の1万2,400台)、スカニア(1.6%増の2万1,700台)、インターナショナ
ル(40.5%増の3万1,500台)は前年同月を上回った。
1-9月期のグループ販売台数は652万4,300台で、前年同期を2.8%下回った。中国が
10.2%
減の205万6,600台となり足を強く引っ張った格好だ。西欧も0.7%落ち込んだ。グ
ループ販売に占める中国の割合は31.5%だった。
7-9月期のBEV販売台数は欧州が11.9%減の10万9,200台、米国が41.7%減の1万1,900
台と失速。中国は5.2%増の5万7,500台に拡大した。そのほかの地域は0.7%減の1万
700台だった。グループ販売に占めるBEVの割合は8.7%にとどまった。
ブランド・グループ別のBEV販売は大衆車が6.5%減の14万2,300台、高級車が17.4%
減の3万9,100台、スポーツ車が25.0%減の7,400台、トレイトンが1.3%減の500台と
すべて落ち込んだ。
1-9月期のBEV販売台数は50万6,500台。前年同期を4.7%下回っている。