軸受大手の独シェフラーは27日、ドイツ以外の欧州の生産体制再編計画を発表した。
今月初旬に打ち出した欧州事業見直し方針の一環で、墺ベルンドルフ工場と英シェ
フールド工場を閉鎖する。
ベルンドルフ工場では商用車やトラクター、建機向けに車輪軸受け、ホイールハブ・
モジュール、変速機軸受けを製造している。これらの製品は受給の変動が激しいう
え、アジアメーカーとの競争激化を背景にコスト上昇分を顧客に転嫁するのが難しく
なっている。同工場は規模が小さくこうした環境の変化に対応できないことから、生
産を欧州、中国、アジアにある他の拠点に移管する。
シェフールド工場では乗用車、トラクター向けのクラッチを製造している。変速機の
オートマチック化を背景にクラッチの需要が大きく縮小していることから、同工場を
閉鎖。乗用車用クラッチの生産をハンガリーのソンバトヘイ工場、トラクター用シン
グル・デュアルクラッチの生産をインドのホスアー工場に移管する。
シェフラー5日、欧州で人員削減を実施することを明らかにした。パワートレイン大
手ヴィテスコの吸収合併と業績不振を受けた措置で、2029年末までに年コストを約2
億9,000万ユーロ圧縮。従業員4,700人を削減する。ドイツ本国が2,800人を占める。