ドイツ連邦陸運局(KBA)が16日に発表した電気自動車(BEV、乗用車)の2024年の新
車登録台数は38万609台となり、前年を27.4%下回った。BEV購入補助金が財政上の都
合で23年12月に突然、打ち切られたことが響いた格好だ。純粋な内燃機関車などを含
む乗用車全体に占める割合は前年の18.4%から13.5%へと大幅に低下した。
BEV販売台数が最も多かったブランドはVWで6万2,108台を記録。前年を12.1%割り込
んだものの、2年連続でトップとなった。2位はBMW(4.1%増の4万2,066台)、3位は
テスラ(41.0%減の3万7,574台)、4位はメルセデス(7.4%減の3万3,991台)、5位
はシュコダ(7.7%増の2万5,308台)、6位はアウディ(28.6%減の2万1,831台)と
なっている。
日本車ではトヨタが最も多く、1,646台(50.9%減)だった。これに日産が1,420台
(52.3%減)、ホンダが800台(117.4%増)、マツダが305台(90.6%減)、レクサ
スが165台(6.5%増)、スバルが147台(3.5%増)、スズキが3台(50.0%減)で続
いた。三菱は前年同様、BEVの新車登録がなかった。
新車に占めるBEVの割合ではテスラ、スマート(台数1万2,463台)、ポールスター
(3,180台)、NIO(398台)、シャオペン(393台)、ルシード(392台)、リープ
モーター(178台)、ビンファスト(175台)、フィスカー(134台)、AIWAYS(27
台)の10ブランドが100%を記録した。このほか、BYD(2,781台)が96.2%、マクサ
ス(66台)が98.4%、GWM(2,096台)が69.8%、MGロエベ(1万4,370台)が68.5%と
高水準に達した。これ以外のブランドはすべて30%未満にとどまる。
スマート以外のドイツ車はミニが28.3%、ポルシェが20.1%、BMWが18.1%、メルセ
デスが13.2%、VWが11.6%、アウディが10.8%、フォードが5.6%、オペルが5.2%、
MANが0.2%だった。
日本車はこれまでに引き続き全体の平均(13.5%)をすべて下回った。最高はホンダ
の11.3%で、日産は4.8%、スバルは3.3%、レクサスは2.9%、トヨタは1.7%、マツ
ダは0.7%、スズキは0.0%にとどまった。BEVで出遅れを現在も取り戻せていない。
伸び率が最も大きかったブランドはルシードで、296.0%を記録した。新車登録台数
が少ないことから、台数ベースの伸びが小さいにもかかわらず増加率が大きくなっ
た。このほかロールスロイス(178.1%)、ロータス(124.5%)、ホンダ
(117.4%)で伸び率が3ケタ台に達した。
BEVにプラグインハイブリッド車(PHV)と燃料電池車(FCV)を加えた電動車全体の
新車登録台数は57万2,672台で、前年を18.2%下回った。BEVの大幅減が響いた格好
で、乗用車全体に占める割合は前年24.6%から20.3%へと低下した。
電動車に非給電タイプのハイブリッド車(HV)や天然ガス車などを加えた環境対応車
の新車登録台数は2.7%減の134万2,013台。乗用車全体に占める割合は47.6%で、前
年を0.9ポイント下回った。HVに強いトヨタ(27.3%増の6万6,004台)やスバル(30.
9%増の2,769台)、レクサス(73.6%増の5,509台)は伸び率が大きかった。