電動垂直離着陸機(eVTOL)開発企業で民事再生手続き中の独リリウムに対し、ス
ロバキアの電動車(EV)用バッテリーメーカー、イノバットの創業者マリアン・ボ
チェク氏が支援を申し出ているもようだ。独『ハンデルスブラット』などが16日に
報じたもので、自身が所有する投資会社DTMインベストメントを通じ、1億5,000万
ユーロを投資する意向だという。実現すれば同氏は最大の大口投資家になる。
イノバットは2023年11月、リリウムのeVTOL向けに高性能バッテリーセルを量産す
る契約を結んだほか、同社のシリーズCの資金調達ラウンドにリリウムが参加する
など関係が深い。現在は中国のリチウムイオン電池大手、国軒高科と合弁で、スロ
バキア南部ニトラ近郊に生産能力が最大60ギガワット時(GWh)のギガファクト
リーを設置する計画を進めている。国軒高科はイノバット株25%を保有する。
オランダに法律上の本社を置くリリウムは昨年12月、事実上の本社であるリリウム
GmbHと、リリウムeエアクラフトGmbHの独子会社2社を欧米企業で構成されるコン
ソーシアム「モバイル・アップリフト」に売却することで合意した。同コンソーシ
アムの構成企業は明らかにされていないが、電池セル製造の独カスタムセルズが参
加しているもようだ。出資額については2億ユーロ強に上るとされる。