独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)グループは23日、2013~15年の3年間で自動車事業に502億ユーロを投資する計画を発表した。新モデルや環境技術、生産技術の開発などに投資する。
\同社のマルティン・ヴィンターコルン社長は今回の投資計画について、「厳しい経済環境のなかでも、長期的な目標を達成するためこれまで以上に投資する必要がある」とコメント。また、今回の投資は将来の競争力をさらに強化するもので、イノベーションと技術的なリーダーシップの鍵となる、との見解を示した。
\VWグループは2018年までに世界最大手の自動車メーカーとなることを目標に掲げている。今回の投資計画では初めてVWが買収した商用車メーカーのMANと高級スポーツカーメーカーのポルシェも含まれている。502億ユーロのうち設備投資は392億ユーロで、うち60%はドイツ国内に投資する。開発コストは106億ユーロを見込んでいる。
\設備投資の約63%に相当する247億ユーロは全てのグループブランドのラインアップの刷新や拡大に充てる。新型車や派生モデル、後続モデルのほとんどのクラスでは、幅広いモデルで部品を共通化できる「モジュラーツールキット(modular toolkit)」と呼ばれる新たな生産システムを採用する方針。駆動システムでは、出力向上、燃費改善、低エミッション化に注力する方針で、特にハイブリッド車や電気自動車の開発に重点を置く。MANの次世代トラックにも投資する。
\設備投資のうち145億ユーロは、生産能力の拡大などに充てる。アウディのメキシコ工場建設や、ポルシェのライプチヒ工場の拡張、自動変速機の生産能力強化などに投資する。
\今回の投資計画には中国における合弁会社は含まれていない。中国の合弁会社は2013~15年に98億ユーロを新たな工場や製品に投資する計画で、VWや合弁会社が資金を負担する。
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