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2013/3/8

企業情報 - 自動車メーカー

独ダイムラー、カーエアコンの冷媒にCO2使用へ

この記事の要約

独自動車大手のダイムラーはカーエアコンに使用する冷媒として二酸化炭素(CO2)を使用する意向だ。7日付けの独業界紙『オートモビルボッヘ』(電子版)によると、ダイムラーは独同業のアウディ、BMW、ポルシェ、フォルクスワーゲ […]

独自動車大手のダイムラーはカーエアコンに使用する冷媒として二酸化炭素(CO2)を使用する意向だ。7日付けの独業界紙『オートモビルボッヘ』(電子版)によると、ダイムラーは独同業のアウディ、BMW、ポルシェ、フォルクスワーゲン(VW)のほか、独自動車工業会(VDA)ともCO2を使用する方向で合意したという。

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ただし、CO2の冷媒では高い圧力をかける必要があり、現行の車載空調機器をそのまま使用できない問題がある。同紙によると、ダイムラーはこの課題についても対応は可能との見解を示している。

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欧州連合(EU)では今年1月から域内で販売される乗用車の新型モデルを対象に温室効果ガス排出量の少ない代替冷媒を使用することを義務付けている。しかし、ダイムラーは昨年9月、独自に実施した安全性能試験の結果、新冷媒「R1234yf」は発火する恐れがあることが分かったとして、採用を見合わせる立場を表明。現在もEUでは使用が認められていない環境負荷の高い従来の冷媒「R134a」を使用している。

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新冷媒については、ドイツ環境支援協会(DUH)が「R1234yf」の燃焼性や毒性を指摘し、CO2を冷媒にした「R 744」を新冷媒として採用することを求めていたほか、連邦環境庁(UBA)もCO2を冷媒として使用することを勧告している。

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■ 新冷媒の問題で法律家がダイムラーを擁護

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ダイムラーが「R1234yf」に安全上の問題があるとして従来の冷媒を使用している問題について、国際法律事務所Noerr LLPのパートナーであるトーマス・クリント教授はdpa-AFX通信の問合わせに対し、ダイムラーの立場を擁護する見解を示している。

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安全性の問題があると認識しながらも新冷媒を使用した場合、法的責任が発生すると指摘。損害賠償請求が発生した場合、EU規制を後ろ盾に、強制的に新冷媒を使用しなければならない状況にあったと反論することは可能だが、無謀な行為であるとの見解を示している。

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新冷媒に関するEU規制は2011年1月以降に型式認定を取得したモデルに適用される。独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、大部分の自動車メーカーは現在、2011年以前に型式認定を取得したモデルを生産しているため、2017年以降に同規制に関係する問題が浮上する見通し。しかし、ダイムラーではすでに新型「Aクラス」と「Bクラス」の型式認定を2011年1月以降に取得しているため、同問題の解決に向け、EUの欧州委員会と協議している。

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