独鉄鋼大手のティッセンクルップは11日、マテリアルサービス事業のチェコ子会社ティッセンクルップ・フェロスタ(ThssenKrupp Ferrosta)が同国のリンホレツとフラデツ・クラーロベーにあった倉庫4カ所をプラハの新拠点に集約したと発表した。また、以前からプラハにあった同子会社の本社も、よりプラハ中心部に近い同拠点に移管して本社機能と倉庫機能を1カ所に統合した。
新拠点の面積は13万5, 000平方メートル。材料を顧客の注文に応じて切断したりする加工スペースと倉庫のほか、最新式の物流センターも設けた。また、パイプとメタルチューブの製品ラインアップを拡充し、自動車向けサービスセンターの設備も増強した。
ティッセンクルップ・フェロスタは、圧延鋼材やパイプ・チューブ、ステンレス鋼、非鉄金属製品などを供給しており、切断などの加工サービスにも対応している。今回の移転では、本社機能と倉庫を一カ所に集めたことで輸送の時間や手間を省くことができるようになったほか、設備の近代化などにより作業効率も改善した。
■VOPから初受注
ティッセンクルップはさらに、ティッセンクルップ・フェロスタが先ごろ、戦車などを製造するチェコ重機大手VOPの入札に応札し、同社から初めて受注を獲得したことも明らかにした。
ティッセンクルップ・フェロスタはチェコのほか、ポーランド、スロバキア、ハンガリー、ブルガリア、セルビア、トルコでも事業を展開し、約50カ所に倉庫・加工サービス拠点を持っている。