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2014/10/24

総合 – 自動車産業ニュース

新冷媒「R1234yf」にカルテルの疑い、欧州委が異議告知書を送付

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は21日、カーエアコン用の新冷媒「R1234yf」を共同開発した米国のハネウェルとデュポンがEUの競争法(カルテル規制)に抵触した疑いがあるとして、両社に異議告知書を送付した。「R1234yf […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は21日、カーエアコン用の新冷媒「R1234yf」を共同開発した米国のハネウェルとデュポンがEUの競争法(カルテル規制)に抵触した疑いがあるとして、両社に異議告知書を送付した。「R1234yf」の生産に関する2010年の両社の合意事項が競合他社の参入を妨げ、R1234yfの供給量と技術開発に制限をかけている疑いがあると指摘している。

EUは温暖化防止策の一環として、これまでカーエアコン用冷媒として使われてきた代替フロン(R134aなど)に代わり、2011年1月1日から域内で販売される乗用車の新型モデル(輸入車を含む)を対象に地球温暖化係数(GWP)が150以下の冷媒を新車のカーエアコンに使用することを義務付けているが、この基準を満たすのは現在、R1234yfに限られる。2017年1月1日からは同規制の対象がすべての新車に拡大する。

欧州委は特に生産方式や生産工程の開発に関する合意が「R1234yf」の市場競争を阻害している疑いがあると指摘している。両社の協力関係により、各社の自主的な判断が妨げられ、結果としてR1234yfの供給量と技術開発が制限された疑いがあるとしている。

欧州委は仏化学大手アルケマの苦情申し立てを受けて2011年12 月に同件に関する調査を開始した。今回の欧州委の異議告知書に対し、両社は書面・口頭による反論の機会が与えられるが、今後の調査によってカルテル行為が確認されれば、対象企業は世界売上高の最大10%に相当する制裁金の支払いを命じられる可能性がある。

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