スウェーデンの自動車安全システム大手オートリブと日信工業(長野県上田市)は9日、日信工業の四輪車用ブレーキコントロール(メカトロ)およびブレーキアプライ(ばね上)システム事業を合弁会社化すると発表した。出資比率はオートリブが51%、日信工業は49%とし、オートリブが経営支配権を持つ。当局の認可や日信工業の株主の承認などを経て、取引は2016年第1四半期に完了する見通し。
新合弁会社は、メカトロおよびばね上システムに関する部品の開発、設計、製造、販売を事業とする。従業員数は約2,000人で、日本、中国、米国に工場を持つ。また、エンジニアリング拠点3カ所と2つの試験コースを保有する。
合弁会社化による対象事業の譲渡価格は約332億円となる予定。
オートリブのジャン・ カールソン 最高経営責任者(CEO)は今回の措置について、「新合弁会社は当社の安全システムの可能性を広げるとともに、自動運転に関連したアクチュエーター分野の主要構成要素を強化する」と述べ、合弁会社化により競争力を強化する意向を示した。
日信工業は今回の取引について、二輪用ブレーキと四輪用ブレーキの2事業を展開する中で、四輪事業の成長にはグローバルな展開と技術力強化を迅速に行う必要があり、自動車安全システム大手のオートリブとの提携が最適の道であると判断した、と説明している。また、日信工業のブレーキシステムの技術力と生産力、オートリブの電子制御ユニットやレーダーセンシング技術、グローバルメーカーへの顧客基盤の相乗効果により、今後の成長に向けた協力体制を構築できる、と言及している。
両社はこれまで、横滑り防止装置(ESC)の分野で協力関係にあり、中国市場向けESCを共同納入した実績がある。