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2015/11/20

企業情報 - 自動車メーカー

独自動車大手の従業員代表、電池セルの国内生産で協力を提唱

この記事の要約

独自動車大手のダイムラー、ポルシェ、フォルクスワーゲン(VW)の各事業所委員会(従業員の代表機関)の委員長3人が17日にラシュタットで行われたパネルディスカッションで、電気駆動車用二次電池のセルを自動車大手が協力して国内 […]

独自動車大手のダイムラー、ポルシェ、フォルクスワーゲン(VW)の各事業所委員会(従業員の代表機関)の委員長3人が17日にラシュタットで行われたパネルディスカッションで、電気駆動車用二次電池のセルを自動車大手が協力して国内生産するべきであると提唱した。このような提唱に対し、VW幹部からは賛同の姿勢がみられたものの、ダイムラー、BMWは否定的な見解を示している。

3社の事業所委員長は、電気自動車の普及が将来進んだ場合、電池セルを内製していないドイツの自動車メーカーでは雇用環境が悪化する恐れがあるとの見解を示す。このため、ダイムラー、BMW、アウディの3社がフィンランド通信大手のノキアからマッピング・位置情報サービス子会社のヒア(HERE)を共同買収したように、電池セルの生産でも協力するべきであると主張している。

メディア報道によると、3社の事業所委員長の提唱を受けて、VWブランド(乗用車)部門のヘルベルト・ディース最高経営責任者(CEO)は賛同の意を示した。これに対し、ダイムラーのヴィンフリート・ポース人事担当取締役は、「現時点ではセル生産は当社にとって魅力的ではない」とコメントした。ダイムラーは子会社を通して電池セルを国内生産していたが、生産規模が小さく採算が合わないため2015年末で生産を停止することを決めている。ダイムラーの広報担当者は、「自身の経験から国内のセル生産はコストが高すぎることが分かった。国外からより安いセルを調達することができる」と述べている。

BMWの広報担当者は、「セル生産は自動車メーカーの中核事業ではなく、サプライヤーから調達するものである」とコメントし、外部から調達したセルを使用して充電池を開発していく方針を示した。

■ 米テスラ社長が欧州工場に関心

ドイツのジグマール・ガブリエル連邦経済・エネルギー相は17日、ラシュタットのパネルディスカッションに参加した後、米電気スポーツカーメーカー、テスラモーターズのイーロン・マスク社長が欧州に電池工場を建設することに関心を寄せていると明らかにした。

同社長が数カ月前にガブリエル経済相と話をした際に、欧州工場に高い関心があり、ドイツは最も関心を寄せている拠点の一つだ、と言及したという。ガブリエル経済相はこれを受けて、計画が具体化したら改めて連絡をしてほしいとマスク社長に伝えたという。

ガブリエル経済相はさまざまな支援措置の可能性があり、来年にも連絡の可能性があるとの期待感を示している。

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