SGL、独グリースハイム工場を閉鎖

独炭素製品大手のSGLグループは2月3日、ドイツのグリースハイム工場を今年末に閉鎖すると発表した。同工場では、電炉鋼の生産に使用される黒鉛電極を生産している。今回の措置により全従業員150人が影響を受ける。

工場閉鎖の背景には、中国メーカーが高炉で生産する安価な鋼鉄製品の輸入が増え、電炉鋼の需要が減少したことがある。電炉鋼の生産が縮小すると、黒鉛電極の需要も後退する。

SGLはすでにカナダとイタリアの黒鉛電極工場を閉鎖しており、グリースハイム工場では3年前から時短勤務を導入していた。しかし、他の欧州諸国や米国、アジアのSGL工場と比べるとグリースハイム工場はコスト構造が高く、工場稼働率も低いことから、SGLは同工場の閉鎖を決めた。

独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ』によると、グリースハイム工場の稼働率は約40%の低水準にとどまっていた。

SGLグループは2015年7月、黒鉛電極の生産も含むパフォーマンス・プロダクツ事業部門(PP)を分離し、独立法人とする計画を発表した。これにより、PP部門の新たな事業の方向性を模索する意向を示していた。

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