独自動車大手のダイムラーは2月16日、同社の監査役会会議でディーター・ツェッチェ社長(62)の任用契約を2019年末まで延長することを決定したと発表した。乗用車部門メルセデス・ベンツ・カーズの責任者としての契約も同時に延長を決めた。また、トーマス・ヴェーバー開発担当取締役(61)が2016年末で退任し、オラ・ケレニウス取締役(販売担当)(46)が2017年1月1日付けで後任として就任する人事も発表した。
ツェッチェ社長は1998年12月16日に取締役となり、2006年1月1日から取締役社長を務めている。3年前には同社の販売台数が減少する一方、アウディやBMWの独高級車競合が販売を伸ばしたことから、ツェッチェ社長に対する批判が強まったものの、新モデルの投入やスポーティーなデザインの採用、コスト削減プログラムの実施などにより業績を回復させた。2020年にメルセデス・ベンツの販売台数で高級車メーカー首位となる目標を2016年に前倒しで達成する可能性も出てきている。
オラ・ケレニウス取締役はメルセデスAMGの社長や米タスカルーサ工場の社長兼最高経営責任者(CEO)を務めた経歴を持ち、2015年1月1日から本社取締役として乗用車部門メルセデス・ベンツ・カーズの販売を担当している。メディア報道によると、ケレニウス取締役は、ツェッチェ社長の後任として有力視されており、ダイムラーは2020年に経営の若返りを図る戦略ではないかと見られている。