独太陽電池モジュール・太陽電池システムメーカーのソーラーワットは2月25日、独電力大手のエーオン(E.ON)が今春に発売予定の充電システムの開発で協力すると発表した。リチウムイオン電池を装備したソーラーワットの充電装置「マイリザーブ(MyReserve)」をエーオンの充電システムに供給する。この充電システムは設置が容易で増設も可能であるほか、発電量や電力消費量を確認できるアプリも付いている。
独経済紙『ハンデルスブラット』では、エーオンの充電システムの販売台数は今年で数百台、2017年以降は年数千台の規模に拡大すると予想しており、ソーラーワットにとっては事業拡大の好機となると分析している。
ソーラーワットは1993年の設立で、従業員数は現在約200人。2012年6月に会社更生手続きの適用を申請したが、独高級車大手BMWの大株主であるクヴァント家の一族であるシュテファン・クヴァント氏の出資と融資を受けて事業再建に取り組み、従来のモジュール生産だけでなく将来性が見込める太陽電池システム事業に注力する方向へ転換した経緯がある。
2013年からはBMWと協力し、BMWが電気駆動車の顧客向けに提供するサービス「360°エレクトリック」の一環として太陽光発電を活用した充電システムを提供している。また、2015年12月からは独ロバート・ボッシュのインバーターを組み合わせた太陽光発電モジュールと充電装置、エネルギー管理システムを組み合わせたセット商品「Store Bosch Edition」を販売している。
ソーラーワットとエーオンの共同プレスリリースによると、ドイツでは数年後には充電装置がセットになった太陽光発電設備がほぼ100%を占めるようになると見られている。また、国内に設置済みの太陽光発電設備が150基以上あることから、太陽光発電設備向け充電装置の潜在市場は大きいと見られている。