独特殊化学大手のランクセスとサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコは4月1日付けで合成ゴムの合弁会社アランセオ(ARLANXEO)をオランダのマーストリヒトに設立した。両社は2015年9月に合弁会社の設立で合意、2016年2月にはすべてのカルテル当局から認可を取得した。出資比率はそれぞれ50%。ランクセスが合弁会社の資本の50%をサウジアラムコのオランダ子会社に約12億ユーロで譲渡する形を取る。
ランクセスは売却益のうち、約4億ユーロを今後の事業成長に投資する。約4億ユーロは負債圧縮に、約2億ユーロは自社株の買戻しに充てる。新会社の経営委員会は4名で、両社からそれぞれ2名を派遣する。
ランクセスの昨年9月の発表によると、新会社にはランクセスの合成ゴム事業を移管する。対象となるのは、タイヤ&スペシャリティーラバーズ(TSR)とハイパフォーマンスエラストマーズ(HPE)の2事業部門および各管理部門。従業員数は約3,700人となり、9カ国に20工場を持つ。合弁会社はサウジアラムコから原料供給を受け、合成ゴムやエラストマー製品を自動車やタイヤ、建設、石油・ガス業界の企業などに供給していく。