独高級車大手BMWのハラルド・クリューガー社長は独業界誌『オートモビルプロダクション』によるインタビュー記事の中で、3月に発表した戦略「ナンバーワン・ネクスト」や自動車産業におけるデジタル技術などについて語った。
クリューガー社長は戦略「ナンバーワン・ネクスト」について、「行動の枠組みとしてとらえており、このガードレールがあることで、早期に我々の社会環境トレンドを認識し、野心的な目標を立て、必要な措置を導き出し、既存事業を改善し、新たな利益を確保できる事業分野を開拓することができる。そして何より、この戦略を成果豊かに実施することができる」と説明した。「ナンバーワン・ネクスト」を策定するにあたり、まずは包括的な社会環境のトレンドを分析し、デジタル化などの主要な行動分野を導き出したという。
駆動技術に関しては、引き続き複数の技術の開発を並行して進めていく方針であり、このような方法でしか世界市場における排ガス規制の強化に対応できないとの見解を示した。
■ 「BMW i NEXT」、最新技術を採用した未来志向のモデルに
サブブランド「BMW i」から2020年以降に発売する新モデル「BMW i NEXT」については、革新的な最先端技術を採用し、「BMW i」を次のステージに押し上げるようなモデルとなる、と説明した。具体的には、自動運転やコネクティビティ、高度な軽量化技術を採用した、未来を指し示すような内装のエレクトロモビリティ(電気駆動車)になるとコメントした。
デジタル化を重視する理由については、快適性と安全性が向上するうえ、モビリティをあらゆる生活分野と連携させることができるため、と説明した。デジタル技術はBMWのあらゆる事業分野にも関係しており、特に、◇顧客のデジタル体験◇運転のネットワーク化(コネクテッドドライビング)および自動運転◇事業プロセス――の3点に重点を置く方針を明らかにした。
また、中国事業に関しては、世界的にバランスのとれた販売・生産を目指している、と述べた上で、BMWにとって大きな潜在的なチャンスがあると見ているとの見解を示した。中国では現在、コンパクトクロスオーバーSUV「X1」を現地生産し2016年下半期に発売する計画を進めている。また、中国はエレクトロモビリティ市場としてもチャンスがあるとの見方を示した。