ZF社長、「インダストリー4.0は継続的なプロセス」=独紙インタビュー

独自動車部品大手ZFフリードリヒスハーフェンのシュテファン・ゾンマー社長と独産業用ロボット大手クーカのティル・ロイター社長は4月22日発行の独経済紙『ハンデルスブラット』に掲載されたインタビュー記事の中で、産業のデジタル化を進める取り組み「インダストリー4.0」などについて語った。

ZFのゾンマー社長は「インダストリー4.0」がブレークスルーする時期について、「『インダストリー4.0』についてはこれまでも語られてきたが、『インダストリー4.0』という名前が付いていなかっただけだ。(『インダストリー4.0』)とは結局は、プロセスを分析するために機械や大きなデータ量をネットワーク化することである。ブレークスルーにはまだ5年は必要だが、これは継続的なプロセスだ」と述べ、自動化技術のブレークスルーの時期を限定するのが難しいように、「インダストリー4.0」も継続的なプロセスであると強調した。

クーカのロイター社長は同社が顧客に納品する産業ロボットから得られるデータの所有権について、「産業ビジネスでは、顧客がデータの使い道を決める。我々がデータを得られるような決定をZFがすることを望んでおり、そうすればプロセスをより効率化することができる。ただ、多くのデータは取り扱いに慎重を要するものであるため、インダストリー4.0では常に信頼性が重要になる」と説明した。

ZFのゾンマー社長はデータ保護について、「ギアボックスの温度に産業ロボットメーカーは関心がないかもしれないが、ZFの競合は関心を持っている。同様に、産業ロボットメーカーのデータはZFには必要ないが、クーカは競合にデータが漏れることを恐れている」と述べ、両社とも懸念しているのはインターネット会社ではなく、競合であることを指摘した。

なお、クーカのロイター社長はビッグデータにおけるインターネット会社との競争について、「我々はプロセスについて100年のノウハウを持つ。(・・・)我々のノウハウをビッグデータと組み合わせ、プロセスを新しい水準に高めることに我々のチャンスがある」と述べ、ビッグデータにおいてプロセスに関するノウハウを生かすことが大きな利点となるとの見解を示した。

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