日本電産、ルーマニアの家電用モーターメーカー買収

日本電産は4月22日、子会社の日本電産ソーレモータを通してルーマニアの家電用モーターメーカーであるANA IMEPを買収すると発表した。新中期戦略の目標達成に向け、世界規模で生産を最適化し、低コスト・高収益体制を構築する方針に沿ったもので、欧州連合(EU)加盟国の中で労働コストが低い国の一つであるルーマニアに生産拠点を確保する。同月21日に、ANA IMEPの持ち分の約94.8%を主要株主から取得する契約を締結した。

日本電産は、ANA IMEPの買収により家電用モーターの生産能力を増強するだけでなく、同拠点に商業・産業用モーターを生産するための設備投資も実施、家電・商業・産業用モーターの一大生産拠点とする計画。また、将来は、生産だけでなく、家電・商業・産業用モーター事業全体のエンジニアリングセンターや、コールセンター、経理、購買、マーケティングなど、欧州におけるシェアードサービスセンターの機能も同拠点に持たせる意向を示している。

ANA IMEPは1967年の設立で、ルーマニアのピテシュに本社を置く。洗濯機・乾燥機用モーターの開発・製造・販売を事業とする。従業員数は288人で、2015年の売上高は1,480万ユーロだった。ANA IMEP本社は15万5,000平方メートルの敷地と4万5,000平方メートルの工場施設を持つことから、これらを今後の事業・生産能力の拡大に生かしていく。

日本電産は新中期戦略として、2020年度に売上高で2兆円、営業利益率で15%以上、株主資本純利益率(ROE)で18%以上を達成する目標に掲げている。

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