米IT大手アップルが独自動車大手と進めていた自動車の共同開発に向けた交渉は不成立に終わったもようだ。4月21日付の独経済紙『ハンデルスブラット』によると、BMWのハラルド・クリューガー社長に続き、ダイムラーのディーター・ツェッチェ社長もアップルに協力しない方向で同社との交渉を終えたという。このためアップルは今後、ドイツの自動車部品メーカーなどと交渉を進めていくと見られている。
3社とも今回の交渉について公式なコメントを控えているが、消息筋によると、◇製品の主導権をどちらが握るか◇共同開発した車両のデータはどちらに属するか――という2つの争点で合意できなかったもよう。BMWとダイムラーは顧客データの高度な保護を重視しているためだ。
『ハンデルスブラット』紙によると、アップルは、ボッシュやコンチネンタル、オスラムなど、センサーやステレオカメラなどの部品メーカーとも交渉しているとされる。また、自動車の委託生産については、カナダの自動車部品大手マグナ・インターナショナル傘下のマグナ・シュタイヤー (オーストリア)と交渉しているとの憶測もある。