ベルギーの非鉄金属大手ユミコアは4月27日、リチウムイオン電池用の正極材料の生産能力を大幅に増強する計画を発表した。今後3年間に約1億6,000万ユーロを投資し、ニッケルマンガンコバルト(NMC)3元系正極材料の生産能力を2018年末までに現在の3倍に拡大する。これにより、ハイブリッド車や電気自動車の普及によるリチウムイオン電池用正極材料の需要拡大に対応する。
今回の計画には、韓国の天安市と中国の江門市にある既存工場への投資に加え、両工場に隣接する土地に新たな生産棟などを建設するグリーンフィールド投資も含まれている。ユミコアは最新の生産技術を導入し、NMC系正極材料の生産能力を2018年末までに現在の3倍に引き上げる計画。新生産施設は2017年下半期に操業を開始する予定。
二酸化炭素(CO2)排出量の削減規制の強化や大気汚染の改善などを背景に、自動車の電動化は今後さらに進む見通し。バスなどの公共交通機関でも電動化の動きがある。このような背景から、ユミコアはリチウムイオン電池用正極材料の需要が今後さらに拡大すると見込んでいる。