英投資会社の3iグループは5月31日、ケーブル保護管などを製造する独シュレマーを買収すると発表した。総額で1億8,100万ユーロを投資する。また、シュレマーの経営陣も部分出資する。3iは、独プライベートエクイティ会社のハノーファー・フィナンツおよびマックプラング・ホールディングからシュレマーの持ち分を取得する。取引価格については公表しないことで合意している。
シュレマーは1954年の設立で、ミュンヘン近郊のポイングに本社を置く。自動車や工業用のケーブル保護管などを製造している。従業員数は約2,500人。2015年の売上高は2億2,020万ユーロ(中国の合弁会社の売上高の50%を含む)。同社は、世界14カ国に23の工場を持ち、欧米や日本、中国などの自動車メーカーにTier1サプライヤー(メーカーに直接納入する一次サプライヤー)として製品を納入している。
自動車向けのケーブルマネジメント関連製品は、コネクティビティ(接続性)、電気駆動車(エレクトロモビリティ)、自動運転、安全性への関心が高まるなかで需要が高まっている。
3iグループによると、今回の買収に伴い、独自動車大手ダイムラーの取締役や独自動車工業会(VDA)の会長などを務めた経歴を持つベルント・ゴットシャルク氏がシュレマーの経営委員会の会長に就任する。また、シーメンスVDOの元取締役でホースクランプ(ホースバンド)やケーブルタイ(結束バンド)などを製造する独ノルマ・グループの監査役を務めるギュンター・ハウプトマン氏も経営委員に就任する。