独高級車大手BMWのイアン・ロバートソン取締役(販売・マーケティング担当)は6月8日、ミュンヘンで催された自動車専門紙『オートモーティブ・ニュース・ヨーロッパ』主催の業界会議での講演の中で、2015年11月に英国で開始した新車のオンライン販売を世界に広げていく方針を明らかにした。また、IT企業など新しいプレーヤーの自動車業界参入やエレクトロモビリティ、シェアリングエコノミー、自動運転など、自動車業界のトレンドについても語った。
新車のオンライン販売を拡大する背景には、スマートフォンへの依存度が高まっていることや、消費者の購入行動が変化しディーラーを訪れる人が減っていることなどがある。ロバートソン取締役は、このような状況に対応するため、販売においてもネット活用を進める必要があると説明した。
ロバートソン取締役は、米IT大手のグーグルやアップルなど新しいプレーヤーが台頭してきている状況については、「自動車業界は大きな潜在性を持つと我々は信じている」と述べ、「新しいプレーヤーは自動車業界を破壊するのではなく、その反対であり、多様性は明らかにあらゆるイノベーションの母である」との見解を示した。
また、エレクトロモビリティについては、「いつかエレクトロモビリティの価値が認められる時がくる」と述べ、BMWでは2020~2025年にその時期がくると見込んでいる、と述べた。
同取締役はシェアリングエコノミーと自動運転技術についても言及し、「インテリジェントな車とは、電動化、自動化、シェア化、ネット化された自動車である」との考えを示した。