日本電気硝子(滋賀県大津市)は、塗料やコーティング剤などのメーカーである米PPGインダストリーズから欧州のガラス繊維事業を買収することで合意し、6月20日に覚書を締結した。PPGインダストリーズの英子会社のウィガン工場とオランダ子会社が対象となる。両社合わせた売上高は約1億5,000万ユーロ、従業員数は約550人。当局の認可などを経て、年内に買収手続きを完了する見通し。
日本電気硝子は今回の買収により、欧州に工場を確保してグローバルな製品供給体制を強化する。また、主力製品で樹脂の強化材として使用されるチョップドストランドの販売強化、ガラス繊維製品のラインアップ拡充によるガラス繊維事業の拡大を目指す。
英ウィガン工場では主に、樹脂強化用ロービング(ガラス繊維を束にしたストランドに撚りをかけて円筒状に巻き取った製品)を製造、風力発電用ブレードや自動車部品用複合材料向けに出荷している。オランダ工場では主に、自動車部品用複合材料などに使われる樹脂強化用チョップドストランド(ガラス繊維を束にしたストランドを所定の長さに切断した製品)を生産している。