独自動車大手のBMWは、英国が6月23日の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決めたことについて、まずは今後の成り行きを見守る慎重姿勢を示している。独日刊紙『南ドイツ新聞』によると同社は、「差し当たり英国における当社の事業活動に直接的な影響はない。まずは英国とEU加盟国との人・モノの移動に関する条件交渉が行われなければならない」とコメントしている。
BMWにとって英国は、米国、中国に次ぐ3番目の国外市場であり、同国における販売台数は23万6,000台と同社の世界販売の10%以上を占めている。また、BMWは傘下に英国ブランドのMINIとロールスロイスを持ち、2015年に英国工場でMINIブランドのモデルを20万台以上、ロールスロイスは約4,000台を生産した。さらに、英国のEU離脱は完成車の輸出入だけでなく、英国工場に部品を供給するサプライヤーチェーンにも影響を与える。
なお、ドイツの自動車メーカーではフォルクスワーゲン(VW)にとっても英国は欧州で2番目の販売市場であり、子会社ベントレーの工場を持つ。『南ドイツ新聞』紙によると、VWは今後について、ひとまず状況を見守る姿勢を示している。