KUKA、美的集団の買収受け入れへ・投資家協定を締結

独産業用ロボット・機械設備大手のクーカ(KUKA)6月28日、中国家電大手の美的集団(ミデア・グループ)による買収提案について、取締役会と監査役会の協議の結果、同社が提示した1株当たり115ユーロの買収価格は妥当であるとの判断に至ったと発表し、買収提案の受け入れを株主に提案した。また、同社と2023年末までを期限とする投資家協定に署名したことも明らかにした。

クーカによると、美的集団との投資家協定には、◇拠点・従業員の保持◇クーカの既存戦略への支持◇取締役会の独立性の維持◇取引先データの保護◇支配権契約を結ばない◇上場廃止を行わない――などが盛り込まれた。同協定の契約期間は2023年までと長く、中国企業の出資による技術や顧客情報の流出を懸念する声に配慮した対応を取った。データバンクに美的集団がアクセスしたり、移転したりできない内容となっている。

また、美的集団はクーカの成長戦略を支持しており、中国事業の拡大や、従業員の増員・研究開発の強化、デジタル技術への投資など今後の事業拡大においてクーカを支援する意向を示している。クーカは今後の成長分野として、中国市場、産業のデジタル化を目指す「インダストリー4.0」、ロジスティクス分野やサービスロボット分野などを挙げている。

美的集団はすでにクーカに13.5%を出資しており、今回の買収提案で目標とする出資比率30%を大きく上回る見通しだ。

メディア報道によると、これまでの大株主である独機械メーカーのフォイト(出資比率:25.1%)と起業家のフリードヘルム・ロー氏(同:10.0%)も買収提案に応じる意向を示している。

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