独自動車大手BMW傘下の超小型車ブランドMINIは方向性の転換を図っている。2015年のフランクフルト国際モーターショー(IAA)では、派手な色遣いがなくなり、より落ち着きのある、控えめで、成熟感のある印象の出展となった。ラインアップは将来的に5モデルに集約する計画だ。6月27日付の独業界紙『オートモビルボッヘ』が報じた。
同紙によると、ペーター・シュヴァルツェンバウアー取締役(MINI/モトラッド(二輪)/ロールスロイス/BMWグループ・アフターセールス担当)は、「MINIは転換期にある」と述べ、「ポストモダンで、新しいトレンドにオープンであり、創造的かつ世論形成者(オピニオンメーカー)的なブランド」を視野に入れていると語った。
新しい方向性を体現する最初のモデルは「クラブマン」で、従来に比べて品質や装備をグレードアップし、広々とした車内空間や実用性も確保した。一部の地域で四輪駆動車の販売を開始したほか、年内に高性能仕様モデル「ジョン・クーパー・ワークス(JCW)」も発売する予定。
11月の米ロサンゼルスモーターショーでは、新型「カントリーマン」と3気筒ターボガソリンエンジン(B38 )と電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステム搭載した「クラブマン」を発表する。2017年には、「カントリーマン」からMINI初のプラグインハイブリッド車を発売する予定。
その一方で、シュヴァルツェンバウアー取締役は、「ペースマン」、「ロードスター」、「クーペ」の3モデルについては後継モデルを製造しないと明言した。また、複雑化を回避するため、BMWがブランド権を持つ「ウーズレー」、「オースティン」、「ライレー」の3ブランドも復活させる計画はないとしている。