独高級車大手BMWのクラウス・フレーリッヒ開発担当取締役は独経済紙『ハンデルスブラット』(7月4日付)に掲載されたインタビュー記事の中で、自動運転車の開発における課題や自動車メーカーの利点などについて語った。
BMWはプロジェクト「iネクスト」を立ち上げ、自動運転技術の開発に取り組んでいる。また、7月1日には米半導体大手のインテルおよびカメラベースの先進運転支援システム技術を開発するイスラエルのモービルアイと自動運転車の開発で協力すると発表した。BMWは2021年にサブブランド「BMW i」から新モデル「iネクスト」を発売する計画であり、同モデルを自動運転技術戦略の基盤とする方針。
フレーリッヒ取締役は自動運転の実用化に向けた課題の一つとして、新しいセンサーの開発と量産化を挙げた。例えば、事故を回避するためには、極めて精密かつ高速度で車両周辺の環境を計測できるセンサーが必要であると述べた。
また、ライドシェアリングやタクシー、リムジンサービスなどで自動運転が重視される理由については、ドライバーが必要かどうかでコスト構造が大きく変わるため、と説明した。最初に無人運転のライドシェアリングサービスを提供する企業は市場を掌握するチャンスがあり、このため1番乗りでの市場参入に向けて技術開発競争が繰り広げられている、と語った。
さらに、自動車メーカーが自動運転の分野でIT企業など新しい競合に優れる点は、動きの制御(モーションコントロール)であると指摘した。例えば、危険が迫る状況で、より迅速にブレーキをかけたり、安定性を保つことができれば、情報の収集・分析にかける時間を確保することができる、と説明。数ミリ秒の単位でも総合的なシステムにとっては大きな利点となる、と言及した。