旭硝子(東京都千代田区)は1日、グループ会社のAGCオートモーティブ・ヨーロッパがモロッコのガラスメーカーINDUVERと自動車用ガラスの合弁会社設立について基本合意したと発表した。旭硝子グループが北アフリカに進出するのは初めてとなる。
合弁会社はモロッコ北部の沿岸部にあるケニトラ州に拠点を置く。2019年に商業生産を開始し、合せガラスや強化ガラスなど高付加価値の製品・サービスを欧州・北アフリカの顧客に提供していく。生産能力は年110万台相当を計画している。
北アフリカ諸国はかつてフランスの植民地であった歴史から、仏自動車メーカーのプジョーやルノーが高い市場シェアを確保している。ルノーはモロッコ北部のタンジェやアルジェリア北西部のオランに工場を持つ。PSAも2015年に、モロッコ政府と同国に新工場を建設する計画の合意書を締結した。また、欧州の自動車生産台数が毎年2,000万台を超え、今後も2%前後の安定成長が続くと見られていることも進出の決め手となった。
INDUVERは1947年の設立で従業員数は368人(2014年12月末時点)。主に自動車用、建築用、産業用ガラスを製造・販売している。同社と合弁を設立するAGCオートモーティブ・ヨーロッパは、旭硝子の子会社AGCガラス・ヨーロッパ(ベルギー、出資比率100%)の100%子会社で、自動車用ガラスを事業とする。