トヨタ、欧州のR&D・エンジニアリング事業を強化

トヨタ自動車は欧州における研究開発(R&D)およびエンジニアリング事業を強化するもようだ。同措置により欧州の現地顧客の好みにより適した製品開発を目指すという。業界紙『オートモーティブ・ニュース・ヨーロッパ』(8月10日付、電子版)が報じた。

同紙によると、トヨタはベルギーのR&Dセンターを増強し、欧州2カ所目のデザインセンターを設ける計画。フランスのニースにあるデザインセンターは今後も維持する。

欧州統括会社トヨタモーターヨーロッパ(TME)のヨハン・ファンセイル最高経営責任者(CEO)は今回の動きについて、モジュラープラットフォーム「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」の導入が背景にある、と説明する。TNGAでは世界市場で販売するグローバルモデルのデザインを欧州市場の好みに合わせて柔軟に改良することが可能になった。TNGAは今秋に欧州市場で発売するコンパクトSUV「C-HR」やハイブリッド車の新型「プリウス」に採用されている。

ベルギーのサベンタムにあるR&Dセンターは1987年に開設された。ボディやシャーシのデザイン、材料、部品、エンジンの試験などを行っており、プロトタイプを試験するための試験トラックも持っている。2007年には敷地面積を3万5,000平方メートル拡張したが、2009年に世界的な経済危機を受けて従業員数を大幅に減らした経緯がある。

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