独産業ガス大手のリンデは8月16日、米同業のプラクスエアと合併・統合の可能性を検討するための事前交渉を行っていることを明らかにした。ただ、具体的な計画や合意には至っておらず、現時点では合併に至るかどうかは予測がつかないと説明している。
産業ガス業界では、仏競合のエア・リキードが2015年11月に、米同業のエアガスを買収すると発表。これにより世界最大の市場である米国での事業基盤をさらに強化し、リンデを抜いて売上高で世界最大の産業ガスメーカーに躍進した。リンデとプラクスエアの合弁が成立すると、再び業界首位が入れ替わることになるが、カルテル当局の認可が得られるかどうかにも注目が集まる。
リンデは2015年の売上高で180億ユーロ、税引き後利益は12億5,000万ユーロを計上した。プラクスエアの売上高は96億ユーロとリンデに比べ小さいものの、純利益は14億ユーロと利益率ではリンデに勝っている。また、8月16日時点の時価総額は、プラクスエアが300億ユーロとリンデの280億ユーロを上回っている。また、プラクスエアが主に北米・南米で事業を展開しているのに対し、リンデは欧州とアジア市場に強いなど、事業地域や事業内容でも両社の補完性は高いと見られている。