スイスの自動車部品大手オートニウムは8月30日、メキシコのサン・ルイス・ポトシに建設した新工場の落成式を行った。また、同日には、サン・ルイス・ポトシ工場に建設する第2生産棟の定礎式も行った。生産能力の大幅な増強は、同社が生産する軽量な防音・防熱部品の需要拡大に対応するための措置。さらに、メキシコシティーには営業およびエンジニアリングオフィスを開設すると発表した。
サン・ルイス・ポトシはメキシコシティーから北西に約400キロメートルに位置する。同工場はオートニウムにとってメキシコで3カ所目の工場であり、2017年初めからカーペットシステムや内装材(インナーダッシュインシュレーターおよびフロアインシュレーター)などを生産する。第1工場の面積は2万7,000平方メートル。北米市場向けの車両を現地生産する米国やドイツの自動車メーカーに製品を供給する。
第2生産棟の面積は1万9,000平方メートル。2018年から床材やカーペットシステム、断熱材を生産し、米国、ドイツ、日本の自動車メーカーに供給する。サン・ルイス・ポトシ工場では2工場合わせて2020年までに新たに430人の雇用を創出できる見通し。
オートニウムはメキシコのソノラ州エルモシージョに工場を持つほか、日本特殊塗料(東京都北区)とオートニウムの合弁会社UGNがグアナファト州のシラオに工場を持つ。メキシコは北米自由貿易協定(NAFTA)圏に加盟していることに加え、自動車市場が成長している。同国のライトビークルの生産は2015年の340万台から2020年には約500万台に拡大すると予想されている。