墺フェストアルピーネ、リンツにブランク材の第2生産棟開設

オーストリアの鉄鋼大手フェストアルピーネは9月28日、オーストリア北部のリンツに建設した自動車部品用ブランク材(素材)の第2生産棟を開設した。超高強度鋼からレーザー溶接で仕立てたブランク材を生産する。新しい生産棟の建設は、自動車業界における軽量部品の需要拡大に対応した措置。リンツ工場のブランク材は主に欧州大手自動車メーカーの高級セグメント車向けに出荷しているという。

新生産棟は、フェストアルピーネのメタル・フォーミング部門のグループ会社フェストアルピーネ・オートモーティブ・コンポーネンツ・リンツの工場内にあり、床面積は約8,000平方メートル。生産規模は年500万枚で、既存工場(年1,500万枚)と合わせた生産規模は年2,000万枚に拡大する。売り上げベースでは現在の年1億1,300万ユーロから年1億6,000万ユーロに拡大すると見込んでいる。新生産棟の建設により同社では、約70人を新たに雇用する。

フェストアルピーネによると、レーザー溶接したブランク材はこれまで主に、サイドパネルやドア、ハッチバックのドアなど大型部品に加工されていたが、現在は安全性と軽量化が重視される様々な部品の材料として採用が広がっている。このような需要拡大を受けて、フェストアルピーネ・オートモーティブ・コンポーネンツ・リンツではすでに2025年頃までの受注を確保しているという。

フェストアルピーネ(従業員数::約4万8,500人)の2015/16年度連結決算の売上高は111億ユーロ。営業利益(EBITDA)は16億ユーロだった。メタル・フォーミング部門(従業員数:1万500人)に限定すると、2015/16年度の売上高は約22億ユーロ(グループ全体に占める割合:約19%)、営業利益(EBITDA)は約2億9,000万ユーロだった。

フェストアルピーネは、オーバーエースターライヒ州(州都:リンツ)で約1万1,200人の従業員を抱えている。2015/16年度の売上高は約40億ユーロだった。

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