独半導体最大手のインフィニオン・テクノロジーズは11日、オランダのファブレス半導体会社のイノルースを買収したと発表した。イノルースのノウハウを基盤に、半導体をベースとした高性能なライダー(LIDAR)システム用部品を開発する。買収条件については公表しないことで合意した。
自動車の半自動運転および完全自動運転システムでは、ライダー、レーダー、カメラの3技術が鍵となるセンサー技術とされている。最初のライダーシステムは今後数年以内に高級車に搭載される予定だが、メカニカル走査ミラーを使用しているため、比較的スペースを必要とし高価格となっている。インフィニオンは半導体ベースのライダーシステムを開発し、小型化、低コスト化、強靭化することで、手頃な価格で搭載可能な機能とすることを計画している。
イノルースは蘭電機大手フィリップスのスピンオフ企業で2010年に設立された。工場を持たないファブレス半導体企業で、微小電気機械システム(MEMS)を得意とする。