独高級車大手のBMWは7日、ミュンヘンの新興企業ワークアラウンドが開発したスマートグローブ「プログローブ(ProGlove)」を一部の工場に導入すると発表した。「プログローブ」は、甲の部分にスキャナーが付いており、人差し指の側面にある確認ボタンを親指で押すとスキャンできる仕組み。スキャン用の機器を手に持つ必要がないため、両手が自由になり、作業効率が向上する利点がある。
BMWは、ドイツのミュンヘンとディンゴルフィングの2拠点で実施したパイロットプロジェクトで好結果が得られたため、ミュンヘン、ディンゴルフィング、レーゲンスブルク、ライプチヒ、ベルリン(以上、ドイツ)、オックスフォード(英国)の6工場での「プログローブ」導入を決めた。年内に計230枚を6工場向けに調達する。
BMWによると、ディンゴルフィング工場では、プログローブの導入により、スキャン1回あたりの作業時間を最大5秒短縮することができた。同工場のアフターセールス用の倉庫では1日あたり延べ4,000分の作業時間を短縮できる計算という。今後は例えば、ミュンヘン工場におけるコックピットの生産や、ディンゴルフィング工場の部品組み立てなどにプログローブを導入する計画。
ワークアラウンドは2014年の設立。2016年のドイツ起業家賞(カテゴリー:スタートアップ)を受賞している。