LG電子、フランクフルト近郊に欧州統括拠点を移転

韓国の電機大手であるLG電子は、英ロンドンにある欧州統括拠点とデュッセルドルフ近郊のラーティンゲンにあるドイツ拠点をフランクフルト近郊のエシュボーンに移転する。同措置は2016年春に決定しており、英国が欧州連合(EU)からの離脱を決めた国民投票の結果を受けたものではないと説明している。移転は2016年末に開始し、2017年春に完了する予定。新拠点の従業員数は300人を超える見通し。

同社は今回の移転について、ドイツはデジタル・サイネージ(デジタル技術を活用したディスプレーやプロジェクターなどによる広告媒体)、太陽光発電、照明、自動車などの市場規模が大きく今後の成長も見込めるため、と説明している。また、ドイツは欧州の中央に位置し、交通のアクセスが良く、インフラも整うほか、エシュボーンへの移転により、フランクフルトで開催される国際自動車見本市(IAA)など大きな見本市に向けて柔軟かつ積極的に取り組むことができる、とコメントしている。

■ 事業を一カ所に集約、電気自動車を重視

LG電子の国外事業の人事責任者であるオリバー・グローマン氏はdpa通信に対し、フランクフルトへの移転はすべての活動を1カ所に集約する戦略に沿ったものであり、ドイツの戦略的重要度が英国よりも大きいため、と説明する。LGはドイツでは、韓国や米国に比べて知名度が低く、評価や認知度を高める必要があるともコメントした。また、LGの広報担当者はdpa通信の取材に対し、「電気自動車に大きな関心がある」と語っている。

dpa通信によると、LGは現在、新拠点向けの従業員を募集しており、同拠点での従業員数は最大500人になる見通しという。グローマン氏は、LGの国外拠点に勤務する従業員約4万人を統括している。うち、欧州の従業員数は約5,000人。韓国国内の従業員は約4万人という。

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