独高級車大手のBMWは11月28日、BMWデジタルチャージングサービス(DCS)を開始すると発表した。時間帯などによって異なる電力料金や太陽光発電設備の発電量に配慮して、電気自動車やプラグインハイブリッド車の充電にかかる時間やコストを自動プログラムにより最適化することができる。同サービスは当初、BMW iブランドのモデルとBMWブランドのプラグインハイブリッド車「iパフォーマンス」モデルを対象とし、将来はすべてのモデルにサービスを広げていく。また、2017年にドイツとオランダで開始し、その後、フランス、イタリア、英国、米国でもサービス提供を開始する。中国と日本では2018年に開始する見通しを示している。
電力料金に配慮した充電では、例えば、料金の安い夜間に充電することができる。設定した電気自動車の出発時刻までには充電を終えている仕組み。また、オランダでは、電力会社のENECOとJedlixと提携し、料金の払い戻しが可能な充電システムを採用する。
太陽光発電設備との連携では、例えば、天気予報や家電の電力消費量などの情報を分析し、太陽光発電の余剰電力を電気自動車の充電に使用することで充電コストを抑えることが可能になる。
さらに、DCSでは、出発時間に合わせて車内の温度を最適化したり、気温の低い日には充電機器を温めておくことが可能になり、走行性能や航続距離を最適化したり、充電池の劣化を防止することができる。
DCSの開発では、米国(BMW ChargeForward)やドイツ(eMobilie)の共同プロジェクトの成果が生かされているという。
■ ウォールボックス2モデルを追加
BMWはDCSの開始に合わせて、充電インフラ「BMW iウォールボックス」も拡充する。単相電源だけでなく、三相電源による11kWhおよび最大22kWhの充電に対応可能な「BMW iウォールボックス・プラス」と「BMW iウォールボックス・コネクト」の2モデルを追加する。
「BMW iウォールボックス・プラス」では、RFIDチップによる無線通信により、複数の車両を自動認識し、各車両の充電データを管理することができる。「BMW iウォールボックス・コネクト」ではさらに、充電データを他のデータベースにエクスポートして会計処理などに活用することができる。