独・中東海運大手の合併、条件付で承認

欧州連合(EU)の欧州委員会は11月23日、コンテナ海運大手の独ハパック・ロイドと中東のユナイテッド・アラブ・シッピング・カンパニー(UASC)が合併する計画を承認したと発表した。UASCが加盟するコンテナ船連合から脱退することが条件となる。

両社は7月、ハパック・ロイドがUASCを実質的に吸収する形での合併で合意していた。誕生する新会社は、コンテナ輸送で台湾の長栄海運(エバーグリーン・マリン)を抜き、世界5位の海運会社に浮上する。

合併の可否をめぐる欧州委の審査では、ハパック・ロイドが日本郵船など6社の連合「G6アライアンス」、UASCが仏CMA-CGMなどとの連合「NEU1」に加盟しており、欧州と北米を結ぶ航路でコンテナ船を共同運航していることが問題視された。両社の合併によって両連合がリンクすることで競争上の問題が生じるためだ。

これに対して、ハパック・ロイドが是正策としてUASCのNEU1脱退を提案したことから、その実施を条件に欧州委は合併を承認した。

ハパック・ロイドは来年、日本郵船と商船三井、川崎汽船、韓国の韓進海運、台湾の陽明海運の6社による連合「ザ・アライアンス」を設立し、アジアと北米、欧州を結ぶ航路のコンテナ船共同運航を始めることになっている。