独自動車大手ダイムラー傘下の超小型車メーカー、スマートは物流大手ドイツポストDHLと提携し、車のトランクに荷物を配達するサービス「ready to drop」を開始する。再配達などの手間が省けるため、DHLは配達時間を短縮でき、顧客は荷物をより早く受け取ることができる。同サービスは現在、ケルン、シュツットガルトでベータ試験を実施しており、来年からボンとベルリンにもサービスを拡大する予定。
顧客はまずスマートとDHLにサービス利用登録をし、携帯電話に専用アプリをダウンロードする。アプリを通してトランスアクション番号(TAN)が発行され、アマゾンなど提携先のオンラインショップで商品を購入する際にTANを入力するとトランクへの配達手続きが完了する。
DHLの配達担当者は専用アプリに顧客のTANを入力すると、車の位置情報を取得することができる。安全確認のためナンバープレートの末尾数字と配達担当者の暗証番号(PIN)を入力すると、一回限り車の開錠ができる。配達後、車が施錠されていない場合、配達担当者にエラーメッセージが届く。顧客もアプリを通して愛車の開・施錠状態を確認することができる。
このサービスは、スマートが今年9月に発売した「フォーツー“ready to” エディション」、もしくは現行の2人乗りモデル「フォーツー」(C453)、1世代前の2人乗りモデル「フォーツー」(C451)、現行の4人乗りモデル「フォーフォー」(W453)に「コネクティビティボックス」機能が装備されていれば利用できる。
専用アプリを通して車を開・施錠するコネクティビティ技術は、スマートを使ったカーシェアリングサービス「car2go」で実用化されており、安全性は実証されている。また、オンラインバンキングで利用されているTAN技術を採用することで安全性をさらに強化している。
DHLによると、現在ベータ試験中のケルンとシュツットガルトでは配送時間帯を午後23時~午前5時に限定しており、1日あたり30~50件を配達している。